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    【解説】高齢になったらここに気をつけよう【犬編】

    2026/03/16

    流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。

    流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森-です。

     

    今回は高齢犬で気をつけることについて解説します。

     

    猫編はこちら

    【解説】高齢になったらここに気をつけよう【猫編】

     

    どこからが高齢?

    犬の平均寿命は14.1~14.2歳とされています。犬は体格が様々で、その大きさによって平均寿命が大きく変わります(小型犬14~15歳、中型犬12~14歳、大型犬10~12歳)。

     

    目安として小型犬は10歳、大型犬は6~7歳でシニアとされています。

     

    実際にもアニコムの家庭どうぶつ白書2025によると10歳前後から病気が多くなるためか年間診療費が増えているようです。

    引用:家庭どうぶつ白書2025|アニコム

     

    診療費用をみると、8歳あたりからぐっと費用が上がってきているようなので、シニアは10歳からでもその少し前の7~8歳から病気に注意する必要がありそうです。

     

    どんな病気が増える?

    家庭どうぶつ白書の年間請求割合を見てみると、9歳以下ではでてこなかった病気として、弁膜症、胆泥症、膀胱炎が上がってきます。

    他に一般的に高齢期で増える病気としては弁膜症、内分泌疾患、関節疾患、認知症、白内障が挙げられます。

     

    弁膜症

    弁膜症は心臓の中の逆流防止のための弁がうまく機能しなくなる病気の総称になります。犬では圧倒的に僧帽弁閉鎖不全症が多く、チワワ、トイプードル、ポメラニアン、シーズーなど様々な小型犬とキャバリア・キングチャールズ・スパニエルに好発します。もちろんその他の犬種でも発症することはあり注意が必要です。

     

    軽度でも循環が悪くなるため疲れやすくなります(運動不耐症)。散歩の距離や時間が以前よりも短くなるなどが見られます。

    進行して心臓が上手く働けなくなると、肺に水が溜まる肺水腫を引き起こし、呼吸困難となります。

     

     

    僧帽弁閉鎖不全症の詳細は次の記事をご覧ください。

    【解説】犬に最も多い心臓病、僧帽弁閉鎖不全症とは?

     

    内分泌疾患

    ホルモン疾患を指します。よくある疾患として甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、糖尿病があります。

     

    甲状腺機能低下症では代謝が落ちるため、元気がない、脱毛、皮膚症状を繰り返すなどが見られます。

    副腎皮質機能亢進症はクッシング症候群とも言われ、多飲多尿、筋肉量の低下、腹囲膨満などが見られます。

    糖尿病では、多飲多尿、痩せてきたなどが見られます。

     

    各疾患の詳細は次の記事をご覧下さい。

    【解説】犬の甲状腺機能低下症

    【解説】水ガブ飲み!尿も多い!犬に多いクッシング症候群について

    【解説】人もペットもかかると一生治療!犬と猫の糖尿病について

     

    関節疾患

    変形性関節症が増加します。高齢犬の40%以上が罹患しているとされています。特に膝蓋骨脱臼や十字靭帯断裂など関節疾患を元々持っている場合には高率で発症します。

     

    関節の軟骨が擦り減り、関節炎や関節痛が見られます。痛みが出るため、運動量が減り寝ている時間が多くなります。

     

    変形性関節症については次の記事をご覧ください。

    【解説】犬と猫の変形性関節症について

     

    認知機能不全症候群

    いわゆる認知症です。8歳以上の14%以上、14~15歳から急増し、17歳以上では半数以上が罹患するとされています。日本犬(特に柴犬)で多い印象はありますが、論文上では好発犬種はなく、最大のリスクファクターは年齢と報告されています。

     

    初期症状としてはドアの蝶番側で開くのを待つようになる、眼の前にいたのに飼い主を探しに行く、ボーっとすることが増えたなどです。

    認知機能不全症候群の詳細は次の記事をご覧ください。

    【解説】認知機能不全症候群について

     

    白内障

    眼の水晶体という部分が白く濁る病気です。視界がぼやけてくるため、初期では暗いところでぶつかるようになり、進行すると明るくてもものにぶつかるようになります。また眼の中の炎症であるブドウ膜炎を引き起こすこともあります。

     

    白内障については次の記事をご覧ください。

    【解説】目が白くなった!モノにぶつかるようになった!犬と猫の白内障について

     

    また眼が白くなるが視覚には影響しない核硬化症というものもあります。

    【解説】目が白い!でも病気じゃない?核硬化症について

     

    胆泥症

    胆嚢に泥が溜まる病気が胆泥症(細かくいうと病気ではない)です。胆嚢で他に多い病気としてゼリー状のものが溜まる胆嚢粘液嚢腫というものもあります。アニコムの保険請求の分類は胆泥症を選択することになりますが、私見ではその中に胆嚢粘液嚢腫も入っているものと考えています(請求時の選択肢に胆嚢粘液嚢腫がないため)。

     

    胆泥や胆嚢粘液嚢腫は末期にならないと臨床症状が認められません。初期では画像検査(特に超音波検査)でのみ検出でき、少し進行すると血液検査(ALPやGGTの上昇)で検出できることがあります。末期で症状がでると黄疸、元気食欲の喪失、嘔吐などが認められます。

     

    胆嚢粘液嚢腫については次の記事をご覧ください。

    【解説】胆嚢粘液嚢腫について

     

    膀胱炎

    これについては推測になりますが、加齢にともない免疫力が低下し、細菌感染を起こしやすくなるのではないかと考えられます。

     

    膀胱炎では頻尿、血尿が認められます。多尿とは異なり、尿の回数は多く(頻尿)なりますが、1回の排尿量はかなり少なくなることが殆どです。

     

    尿路結石については次の記事をご覧ください。

    【解説】ストルバイト?シュウ酸カルシウム?犬と猫の尿路結石症について

     

    どんな症状に気をつける?

    これらの代表的な疾患を考慮すると次のような症状があれば一度動物病院を受診することをおすすめします。

    • 疲れやすくなった。
    • 寝ている時間が増えた。
    • 飲水量が増えた。
    • 排尿量が増えた、尿が薄くなった。
    • 痩せてきた。
    • 前にしない行動をするようになった。

     

    飲水量に関しては次の記事をご覧ください。明らかな多飲とされる飲水量は体重1kgあたり100ml以上です。(5kgなら500ml以上)

    【解説】イヌ・ネコの飲水量足りてますか?

     

    疲れやすくなったり、痩せてきたりは高齢だから仕方がないものと思われがちですが、病気が隠れていることが少なくありません。気になることがあれば動物病院に相談しましょう。早めに対策をすることで、少しでも楽しく過ごさせてあげることができるかもしれません。

     

    また胆嚢粘液嚢腫のように末期にならないとはっきりとした症状がでない病気もあるため、7~8歳頃から定期的な健康診断をしてあげましょう。


    当院ではエビデンスを元に検査・診断・治療を行っています。

    高齢犬で気をつけることについて不明点やご相談があれば、当院までお電話もしくはLINEにてお問い合わせください。

     

    21動物病院-おおたかの森-

    千葉県流山市おおたかの森北2-50-1 GRANDIS 1階

    TEL: 04-7157-2105

    Web予約: https://wonder-cloud.jp/hospitals/21ah_nagareyama/reservationsonder

    LINE: @092jvjfm

     

    執筆:獣医師 院長 坂本