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    【解説】左右対称のかゆみと発赤!食物アレルギーについて

    2025/07/10

    流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。

    流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森-です。

     

    今回は、食物アレルギーについて解説します。

     

     

    食物アレルギーとは

    食物アレルギーは、食品中の成分に対する過剰な免疫反応によって消化不良皮膚症状を起こす疾患です。猫では呼吸器症状もみられます。多くはタンパク質がアレルゲンとなります。季節性はあまりなく、アトピー性皮膚炎との併発が多くみられます。犬と猫の食物アレルギーは、IgE抗体が関与するⅠ型アレルギーとリンパ球が関与するⅣ型アレルギーの2タイプがあり、このうちⅣ型アレルギーの方が多くみられます。

     

    <Ⅰ型アレルギー>

    即時型アレルギー。花粉、ダニ、カビなどが原因となり免疫グロブリンIgE抗体がつくられ、それにより肥満細胞から生理活性物質であるヒスタミン、セロトニンなどが放出され、血管拡張や血管の透過性が起こり、蕁麻疹や花粉症、喘息、アナフィラキシーショックを引き起こします。

     

    <Ⅳ型アレルギー>

    遅延型アレルギー。抗原と感作T細胞の反応により、感作T細胞から生理活性物質であるサイトカインが放出されて細胞性免疫を誘導し、細胞や組織の傷害や肉芽腫形成を引き起こします。

     

     

    食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の違い

    食物アレルギーとアトピー性皮膚炎は症状が似ていて、併発も多くみられます。この二つの疾患には次のような違いがあります。

    食物アレルギーアトピー性皮膚炎
    痒みありあり
    好発年齢1歳未満もしくは7歳以上6ヶ月~3歳
    発症時期通年季節性→通年
    皮膚症状ありあり
    消化器症状多いなし
    除去食試験の効果ありなし
    アレルゲンの侵入主にから主に皮膚などの粘膜から
    アレルゲンの回避可能困難なことが多い

     

     

    アトピー性皮膚炎についてのブログ記事はこちらからご覧ください。

    【解説】痒みがとまらない!犬のアトピー性皮膚炎について

    【解説】痒くて皮膚が傷だらけ!猫アトピー皮膚症候群について

     

     

    食物アレルギーの症状

    食物アレルギーになると次のような症状が現れます。皮膚症状は左右対称に出ることが多いです。

     

    <行動>

    • 身体をこする
    • 患部をひっかく
    • 患部を噛む・かじる
    • 患部を舐める

     

    <皮膚症状>

    • 痒み
    • 紅斑
    • 発疹・湿疹
    • 炎症
    • 脱毛

     

    <消化器症状>

    • 下痢
    • 軟便
    • 嘔吐
    • 消化不良
    • しぶり便(便を出したくても少量しか出せない)
    • 排便回数の増加(1日3回以上)

     

    <発症部位>

    • 目の周り
    • 口の周り
    • 耳介
    • 指趾(足の先)
    • 肉球の間
    • 腋の下
    • お腹
    • 股などの間擦部
    • 尾の付け根
    • 消化器
    • 首から上の皮膚(

     

    <呼吸器系()>

    • くしゃみ
    • 鼻水
    • 開口呼吸 など

     

     

    食物アレルギーの原因

    アレルゲンとなるのは、主にタンパク質と考えられています。タンパク質は、鶏肉、豚肉、牛肉などの肉類、魚介類だけでなく、大豆やトウモロコシ、米、小麦、乳製品、野菜、果実などにも含まれています。犬のアレルゲンとして牛肉、乳製品、鶏肉、小麦で多く、また猫では、牛肉、乳製品、魚類で多くみられます。また、アレルギーは、原因そのものだけでなく、構造が似ているもの対しても同じような症状が出ることがあります(交差反応)。

    食物アレルギーの発症は、1歳未満で多くみられます。この理由として、母体からアレルギーになりやすい遺伝子をひきつぐことと、離乳期に摂取し続けたタンパク源が食物アレルギーの元になっていることが考えられています。そのため、中高齢で初めてアレルギー様の症状がみられた場合は、アレルギー疾患ではなく皮膚型リンパ腫などを疑います。

     

     

    食物アレルギーは犬アトピー性皮膚炎(CAD)と症状が似ていますが、それぞれ発生機序に違いがあります。犬アトピー性皮膚炎(CAD)は、アレルゲンが主に皮膚などの粘膜から侵入するため体内に入る量は微量で、かつアレルゲンの侵入には季節性があることから、アレルギー反応が起こるまでに時間がかかります。一方、食物アレルギーでは、アレルゲンは常に口からの侵入になるため、皮膚とは段違いの量のアレルゲンが体内に入ってしまうことから、アレルギー反応が起こるまでの時間が短いともいわれています。

     

    食物アレルギーの好発犬種

    食物アレルギーが多くみられる犬種として、ダックスフンド、フレンチ・ブルドッグ、アメリカン・コッカー・スパニエル、ミニチュア・シュナウザー、パグ、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、コリー、ボクサー、ジャーマン・シェパード、ダルメシアン、ビション・フリーゼ、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー などがあげられます。ただし、個体差があり、また、どの犬種にも発症する可能性はあります。

     

     

    食物アレルギーの検査・診断

    皮膚の異常や痒みがある場合は、食物アレルギーに似ている症状の疾患を除外していきます。その後、アレルゲンの要因となる食材を対象とした除去食試験と負荷試験を行います。これらの試験の結果と他の検査の総合的な評価により、食物アレルギーと診断されます。検査の中には、そのまま治療に結びつく診断的治療となるものがあります。

     

    鑑別疾患

    食物アレルギーと似ている症状のある疾患には次のようなものがあります。各種検査を行い、これらを除外していきます。

    • 外部寄生虫:ダニ、ノミ、シラミ、ニキビダニ、疥癬 など
    • 感染症:膿皮症、皮膚糸状菌症、マラセチア皮膚炎 など
    • アレルギー疾患:ノミ、ダニ、カビ、花粉 など
    • 皮膚リンパ腫

     

    皮膚疾患、寄生虫性疾患、リンパ腫についてのブログ記事はこちらからご覧ください。

    【解説】ベタベタ皮膚に多い!赤い!痒い!マラセチア皮膚炎について

    【解説】犬に多い皮膚病!膿皮症について

    【解説】みんな持ってるニキビダニ。あなたの愛犬も発症するかも?ニキビダニ症について。

    【解説】首や膝裏が腫れてる!犬のリンパ腫について

    【解説】ウイルス感染がきっかけ?!猫のリンパ腫について

     

    一般検査

    問診・身体検査

    これまでの食事内容や、生活環境、また、皮膚の状態を確認します。

     

    血液検査

    白血球や腎機能、肝機能などの一般的な検査項目を確認します。アレルギー検査を併用する場合もあります。

     

    レントゲン検査・エコー検査

    皮膚症状や消化器症状によっては、状態を確認するためにこれらの検査も行います。

     

    皮膚科検査

    皮膚のスクレーピング、スタンプ検査、ウッド灯検査、抜毛検査、細菌培養検査、細胞診、耳スコープなど、症状に応じて実施し、皮膚の状態を確認します。

     

    除去食試験

    これまでに食べたことのない成分の療法食と水だけで、症状の改善があるかを確認します。

    アレルゲンとなるものを含まないため、痒みの原因が判明でき、症状が改善した場合は食事アレルギーの可能性が高いです。また、アレルゲンを避ける食事を与えることで治療にもなります。

    効果判定には4~8週間かかり、アレルゲンが複数の場合は特定が難しいことがあります。

     

    食物負荷試験

    除去食試験で症状が改善した後に実施します。元々食べていた食材を2週間おきに一つずつ与えて、症状が出るかを確認する試験です。この試験で症状が悪化した場合、食物アレルギーと診断されます。

     

    アレルギー検査

    血液検査(外部)にて、I型アレルギーに対する特異的IgE検査と、Ⅳ型アレルギーに対するリンパ球反応検査を行います。両方を検査することで、食事アレルギーかアトピー性皮膚炎かを診断するのに役立ちます。除去食試験よりは時間がかからず、アレルゲンが特定しやすいですが、検査結果と症状が一致しないことがあり、補助的に使うことが多いです。

     

    特異的IgE検査

    Ⅰ型アレルギーの検査で、原因物質であるダニ、ノミ、花粉、食物などを検出します。

     

    リンパ球反応検査

    Ⅳ型アレルギーの検査で、食物中のアレルゲンに反応するリンパ球があるかどうかを調べます。原因となる食物アレルゲンが特定でき、食べてよいものとよくないものがわかります。

     

    除去食試験、食物負荷試験、アレルギー検査についてのブログ記事はこちらからご覧ください。

    【解説】食物アレルギーのときの除去食試験とは?

     

     

    食物アレルギーの治療方法

    原因となる食物アレルゲンを避けることができれば、症状は治まります。ただ、アトピー性皮膚炎と併発する場合が多いため、その治療も必要になることがあります。

     

    食事療法

    対象となる食物アレルゲンを含まない食事に変更します。アレルゲンを抗原と認識できないくらい小さくした加水分解タンパク質や、鹿肉、馬肉、カンガルー肉、鴨肉、アヒル肉など通常与える機会のあまりないタンパク質(新奇タンパク質)を使用している食物アレルギー用の療法食があります。これらの療法食は除去食試験でも使われます。

     

    内科療法

    食物アレルギーの場合は、除去食だけで症状が改善できます。除去食を始めてしばらくは痒みなどが残ることがありますので、ステロイド薬や抗ヒスタミン剤などを使用します。アトピー性皮膚炎を併発していれば、アトピー性皮膚炎の治療を行います。

     

     

    食物アレルギーの予防

    食物アレルギーを予防するためには、アレルゲンとなるタンパク質を与えないようにすることが第一です。

     

    新しいフードを与えるときは、症状が出ないかを確認しながら少しずつ与えるようにしましょう。原材料以外にも表示されていないわずかな成分が混ざっていることがあります。万が一、症状が出ても受診しやすいように、午前中に変更することをお勧めします。

     

     

     

     

    さいごに

    食物アレルギーは、原因となるアレルゲンを避ければ症状が治まる病気です。きちんと検査して原因を突き止めることで、痒みに苦しまない生活を送ることができます。痒がったり、皮膚が赤くなるようなことがあれば、早めに受診するようにしましょう。

     

     


    当院ではエビデンスを元に検査・診断・治療を行っています。

    食物アレルギーについて不明点やご相談があれば、当院までお電話もしくはLINEにてお問い合わせください。

     

    21動物病院-おおたかの森-

    千葉県流山市おおたかの森北2-50-1 GRANDIS 1階

    TEL: 04-7157-2105

    Web予約: https://wonder-cloud.jp/hospitals/21ah_nagareyama/reservationsonder

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    執筆:獣医師 一色

    監修:獣医師 院長 坂本