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    【解説】シニア猫なのに活動的!よく食べるのに痩せてきた?猫の甲状腺機能亢進症について

    2025/03/24

    流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。

    流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森- 院長の坂本です。

     

    今回は猫の甲状腺機能亢進症について解説します。

     

    甲状腺とは?

    甲状腺は、人間だと喉仏のあたり、気管にへばりつくように存在する内分泌(ホルモンを出す)器官。

    新陳代謝をコントロールするホルモン「甲状腺ホルモン」を分泌しています。

     

    甲状腺ホルモンにはT4, T3があります。T4が活性化してT3になるので、実際に作用するのはT3となります。体内の量としてはT3はかなり少なく、T4が主体となっています。

     

    甲状腺ホルモンの役割としては次のものが挙げられます。

    • 脳神経の作用を活発化する
    • 心拍数を上げる
    • 熱を産生する
    • 筋肉を活発に動かす
    • 胃や腸を活発に動かす

     

    甲状腺機能亢進症の病態

    甲状腺機能亢進症は犬では稀で、猫では一般的です。8歳以上の中~高齢猫で発生します。

     

    猫の甲状腺機能亢進症は、甲状腺に腺腫、腺癌、結節性過形成が発生し、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで発症します。

     

    甲状腺ホルモンは代謝を司るホルモンなので、過剰になることで代謝が活発すぎる状態になり、様々な症状がでます。

     

    甲状腺機能亢進症の症状

    様々な症状が出ます。以下に挙げられる症状が出ますが、個体差があり全て当てはまるわけではありません。

     

    • 体重減少
    • 元気消失
    • 嘔吐・下痢
    • 食欲不振
    • 多食
    • 多飲多尿
    • 脱毛
    • 多動・興奮
    • 呼吸促迫 など

     

    やはり特徴としては食べているのに痩せてくる、歳の割に活発に動くことでしょうか。

    他にも下痢・嘔吐などの消化器症状がずっとあり、検査したら甲状腺機能亢進症だったということもあります。

     

    甲状腺機能亢進症の診断

    問診、身体検査、血液検査、超音波画像検査、血圧検査を行います。

     

    問診、身体検査

    先ほど挙げた症状があるか、甲状腺が腫大しているかを確認していきます。

    甲状腺の腫大はある場合とない場合があり、腫大していれば強い疑いを持って検査を進めていけますが、腫大していないからといって否定はできません。

     

    血液検査

    代謝の亢進による多血、肝酵素の上昇を認めることがあります。

     

    最も大事な検査として甲状腺ホルモン(T4)の測定を行います。T4には総T4(TT4)と遊離T4(fT4)があります。猫では主としてTT4を用い、補助的にfT4を用います。fT4のほうが他の疾患の影響を受けにくいのですが、猫では偽高値になることがあるのでfT4単独では用いません。

    TT4が高値であれば甲状腺機能亢進症と診断します。

     

    超音波画像検査

    甲状腺の大きさを測ることがあります。

    また、甲状腺機能亢進症は肥大型心筋症を引き起こすことがあるため、心臓の超音波検査も行います。

     

    肥大型心筋症についてはコチラの記事をご覧ください。

     

    血圧検査

    甲状腺機能亢進症は全身の高血圧を引き起こすことがあるため、血圧検査を行います。

     

    甲状腺機能亢進症の治療

    治療方法は投薬、フードの変更、外科手術になります。内科療法(投薬、フードの変更)では生涯にわたる投薬が必要になります。また肥大型心筋症や高血圧があればそちらの治療も行います。

     

    投薬

    チアマゾールという甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を用います。すでに作られた甲状腺ホルモンの分泌は抑えられないので、飲んですぐに効く!というよりは飲み続けることで効果を発揮する薬になります。

     

    効果が出るまで1~2週間ほどかかるので、その後にT4を測定して薬の量を調節していきます。

     

    フードの変更

    甲状腺ホルモンの合成にはヨウ素が必要となります。この治療法ではヨウ素を制限したフードを与えることによって甲状腺ホルモンの合成を抑制します。

    効きやすさに個体差があること、猫はフードの変更に苦労すること、このフードを使っている間は他のものを一切与えられないことからあまり選択されません。

     

    外科手術

    甲状腺は左右一対あるので、甲状腺ホルモンを分泌しすぎている側の甲状腺を摘出する治療になります。

    ただし甲状腺機能亢進症は高齢な猫で多く、高齢な猫では腎臓病が隠れていたり、肥大型心筋症があったりでリスクがあるため、そういったリスクがクリアできた場合に外科手術が選択肢に入ります。

    また投薬が困難な猫では外科手術が選択肢に入ります。

     

     

    どの治療法でも、甲状腺機能亢進症を治療すると高血圧が落ち着き、隠れていた腎臓病が顕在化することがあります。これは治療途中の血液検査にて見つかることが多いです。

    以前は腎臓病が見つかったらT4の値をやや高めに維持するような治療がなされていましたが、最近はT4はしっかりとコントロールして、腎臓病は別で治療を行います。

     

    腎臓病は腎臓の血液還流量が減ることが一因であり、それに血圧は大きく関わります。確かに甲状腺機能亢進症の治療をした結果血圧が下がってしまうのは腎臓にとって悪いことのように思われます。

    実際には高血圧は眼・脳・腎臓・心臓に負担を負担をかけ障害を起こします。したがって甲状腺と腎臓、それぞれ別に治療を行います。

     

    さいごに

    高齢猫では腎臓病、変形性関節症、甲状腺機能亢進症などの様々な病気がでてきます。特に腎臓病は猫を飼育されている皆様は気になっているとは思いますので、高齢になったら年に2回は健康診断をうけていただき、血液検査があれば一緒にT4もチェックしてもらうのも良いかと思います。

     

     

    当院ではエビデンスを元に検査・診断・治療を行っています。

    猫の甲状腺機能亢進症について不明点やご相談があれば、当院までお電話もしくはLINEにてお問い合わせください。

     

    21動物病院-おおたかの森-

    千葉県流山市おおたかの森北2-50-1 GRANDIS 1階

    TEL: 04-7157-2105

    Web予約: https://wonder-cloud.jp/hospitals/21ah_nagareyama/reservationsonder

    LINE: @092jvjfm

     

    執筆:獣医師 院長 坂本