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    【解説】痙攣が起きた!手がピクピクしてる!てんかん発作について

    2025/03/14

    流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。

    流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森- 院長の坂本です。

     

    今回は癲癇(てんかん)について解説します。

     

    てんかんとは

    国際獣医てんかん特別委委員会(IVETF)によって、てんかんとは「てんかん発作を起こす恒久的な素因に寄って特徴づけられる脳疾患」と定義されています。また臨床的には24時間以上あけて少なくとも2回のてんかん発作を認めた場合にてんかんと診断されます。

     

    難しい言い回しですが、原因が脳に異常があることで発生する発作で、24時間以上あけて2回起こればてんかんと診断するということです。

     

    痙攣と違うのは、痙攣は症状名(下痢や嘔吐と同じ)ですが、一方でてんかんは診断名(腸炎、胃炎と同じ)です。つまり、てんかんの症状の中の1つに痙攣が含まれますが、痙攣が起こったからと必ずしもてんかんではない、ということです。

     

    痙攣は脳の異常(てんかんを含む)の他にも、低血糖、肝性脳症、尿毒症、低カルシウム血症など様々な要因で発生します。

     

    てんかんの原因は?

    「特発性てんかん」「構造的てんかん」「原因不明てんかん」の3つに大きく分類されます。

     

    特発性てんかん

    「遺伝的素因以外にてんかん発作を生じさせる原因となる明確な病態が認められないてんかん」と定義されています。検査しても異常が認められないてんかんで、初めての発症年齢が6ヶ月齢~6歳齢以下のものが当てはまります。

    特発性てんかんは更に3つのサブグループに分類されます。

    • 遺伝性(素因性)てんかん
      • てんかん遺伝子の突然変異など個体による遺伝子異常によって発症するてんかん。あくまで個体ごとの話であって遺伝するわけではありません。
    • おそらく遺伝性てんかん
      • 品種内でのてんかん有病率が2%を超えるものなど遺伝的影響の可能性があるてんかん。
    • 原因不明てんかん
      • 遺伝性てんかん及びおそらく遺伝性てんかんに当てはまらず、潜在的な原因の性質が未だ不明で、構造的てんかんではないてんかん。

     

    構造的てんかん

    画像診断、脳お脊髄液検査、DNA検査、病理組織検査などにより頭蓋内・大脳の異常が認められ、これにより発症するてんかん。

    脳卒中、脳炎、外傷、奇形、脳腫瘍などが含まれます。

     

    原因不明てんかん

    特発性の診断基準を満たさないが、脳の構造的異常が認められないてんかん。

     

    てんかんの症状は?

    てんかん発作は時間の経過により前駆症状、発作期、発作後期、発作間欠期と区分されます。症状が認められるのは前駆症状~発作期~発作後期までです。

     

    前駆症状(前駆兆候)

    てんかんの子は、発作が起きる前に決まった症状を示すことがあり、発作が起きる前のこの周期を前駆症状(前駆兆候)と呼びます。

    発作の数日~数時間前から現れ、症状は個体によって異なります。不安行動、落ち着きがない、攻撃性行動、探索行動などが現れます。

     

    飼育している子のてんかん発作を何度も見ていると「そろそろてんかんを起こすな」と感じられることがあります。これは飼い主が無意識に前駆症状を捉えているからだと考えられます。

     

    発作期

    てんかん発作の発症している周期を発作期と呼びます。発作の症状は大きく焦点性てんかん発作と全般てんかん発作に分類されます。全身、身体の一部だけの痙攣以外にも、様々な異常として発症します。

     

    • 焦点性てんかん発作(以前は部分発作などと呼ばれてました)
      • 運動発作…顔面の痙攣、律動的な身体の一部だけの痙攣など骨格筋に関連した発作。
      • 自律神経発作…瞳孔散大、流涎(よだれ)、嘔吐、失禁など自律神経系に関連した発作。
      • 行動発作…不安、恐怖、激怒、不動化、ハエ咬み行動など行動性変化に関連した発作。
    • 全般てんかん発作
      • 痙攣性全般発作
        • 強直性発作…四肢を含む全身の強直など持続的な骨格筋の増強による発作。手足がピンと伸びて突っ張るのはこの強直性発作。
        • 間代性発作…全身性の骨格筋の収縮と弛緩が短い周期で規則的に反復律動する発作。手足がバタバタと動くもの。よく痙攣を起こした!と言われてみなさんが想像されるのがこの間代性発作です。
        • 強直間代性発作…強直性発作の後に間代性発作が続く発作。最も一般的。流涎、失禁、瞳孔散大なども伴うことが多い。
        • ミオクロニー発作…突然の瞬間的な全身の骨格筋の痙攣を起こす発作。
      • 非痙攣性全般発作
          • 脱力発作…筋緊張の突然の低下・消失を起こす発作。失立発作とも言われ、突然に動物が崩れ落ちるようなもの。
          • 欠神発作…瞬間的な動作停止や意識喪失を生じる発作。

    発作後期

    発作が起きた後の周期を発作後期と呼びます。脳の損傷が回復するまでの期間で、数分以内に終わることもあれば数日間続くこともあります。この期間に起きる症状を発作後徴候と呼ばれ、見当識障害、咆哮、運動失調、空腹、口渇、失明、攻撃行動などを示します。

     

    発作間欠期

    発作期・発作後期と次の発作期までの間を発作間欠期と呼びます。この期間中はてんかん関連症状は何もありません。

     

    てんかんの診断方法は?

    血液検査、尿検査、神経学的検査、MRI検査、脳脊髄液検査、脳波検査を行います。血液や尿に異常があればX線や超音波による画像検査も行います。

     

    血液検査・尿検査

    痙攣を起こしている原因が脳以外にないかを検査します。また投薬を始めるうえで腎臓・肝臓など薬物代謝に関わる要素に異常がないかも確認します。

     

    神経学的検査

    構造的てんかんの場合はてんかん発作以外にも神経症状が出ることがあります。神経学的検査を行い他にも異常がでるようであれば、構造的てんかんの可能性が高くなります。

    また異常が脳のどの部分にあるのか、脳以外にはないかを確認するために行います。

     

    MRI検査

    磁気を用いて脳・脊髄に構造的な異常がないかを検査します。動物はよっぽど大人しいかぐったりしている状況でなければ全身麻酔が必要になります。

    MRIが設置してある動物病院は限られており、当院にはありません。必要な状況であればMRIのある動物病院を紹介します。

     

    脳脊髄液検査

    MRIでは見つけられない炎症がないか、腫瘍がないか、感染症がないかを検査します。MRI検査時に麻酔をかけるので一緒に行うことが多いです。

     

    脳波検査

    獣医療における脳波検査は一般的でなく、機材を設置している動物病院はMRIよりもさらに少ないです。

     

     

    特発性てんかんにはIVETFにより診断基準が設けられています。特発性とは「原因不明の」という意味であり、種々の検査で異常が認められず、他の病気を除外することによって診断されます。

    信頼度124時間以上の間隔で2回以上の発作、6ヵ月齢~6歳齢での初発発作、発作間欠期での神経学的検査・血液検査・尿検査に異常が認められない
    信頼度2信頼度1に加え、食事前後の総胆汁酸(TBA)検査、脳MRI検査、脳脊髄液検査で異常が認められない。
    信頼度3信頼度1・2に加え、発作時あるいは発作間欠時の脳波検査に特徴的な脳波が認められる

    当院で行えるのは信頼度1に加え、TBA測定までとなります。信頼度2以上の検査をご希望の場合は2次診療施設をご紹介します。

     

    てんかんの治療は?

    MRI検査・脳脊髄液検査などで特別な治療法が対象だとわかる場合を除き、基本的には抗てんかん薬の一生涯にわたる継続的な投与になります。

     

    基準として以下の1つでも当てはまれば治療開始が推奨されます。ただし絶対的なものではなく、様々な要素を総合的に判断して投薬を開始します。

    1. 6ヶ月以内に2回以上のてんかん発作がある
    2. 1回でもてんかん重積、もしくは群発発作を起こしたことがある
    3. 発作後徴候が重篤な場合や、24時間以上持続する
    4. 構造的てんかん

     

    ※てんかん重積…5分以上持続する発作もしくは完全な意識の回復なしに2回以上生じる発作。

    ※群発発作…24時間以内に2回以上の発作

     

    抗てんかん薬はまず1種類の投薬を行います。副作用が出ず、十分な効果が得られる最低量を目指して調節していき、規定の血中濃度に達しても発作が多いようであれば薬剤の種類を増やしていきます。

     

    薬剤の血中濃度の検査は、血中濃度が最低になるとき(トラフ値、低値とも)に採血します。1日2回、朝と夜の投薬であれば、通常どおりに投薬を続けたうえで、朝もしくは夜の投薬の直前に採血となります。

     

    抗てんかん薬は基本的には一生涯継続して投与します。投薬を急に中断すると離脱発作が発生しやすく、再発したときには重症化しやすいと言われています。もし投薬をやめたいのであれば、獣医師と相談しながらゆっくりと減薬していきましょう。

     

    てんかん発作が起きたら

    てんかん発作が起きても手を出さず、静かに見守りましょう。飼い主様が怪我をする危険性があります。また脳神経の異常な活動によっててんかん発作は生じるので、声を掛けないようにして脳への刺激を増やさないようにしましょう。周囲のものにぶつかりそうなときや、落下しそうなときはタオルや毛布で保護しましょう。

    また発作が起きたらその様子を動画撮影、日付・時間帯、発作の持続時間、発作後徴候の様子などを記録してください。

     

    こちらの記事もご覧ください。

    【解説】痙攣(けいれん)が起きたらどうしたらいい?

     

    すぐに来院したほうがいいケース

    一般的なてんかん発作は数分で終了し、発作により亡くなることはないとされていますが、発作が長時間になると強い脳損傷の発生や高体温になることで死に至る可能性があります。次のような状況であればすぐに動物病院への受診をお願いします。

     

    • てんかん発作がいつもより長いとき(目安は5分以上のとき)
    • てんかん重積や群発発作となっているとき
    • てんかん発作の様子がいつもと違うとき

     

     

    当院ではエビデンスを元に検査・診断・治療を行っています。

    てんかんについて不明点やご相談があれば、当院までお電話もしくはLINEにてお問い合わせください。

     

    21動物病院-おおたかの森-

    千葉県流山市おおたかの森北2-50-1 GRANDIS 1階

    TEL: 04-7157-2105

    Web予約: https://wonder-cloud.jp/hospitals/21ah_nagareyama/reservationsonder

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    執筆:獣医師 院長 坂本