【解説】動物病院から動物病院へ紹介?二次診療って何?
2024/02/15
流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。
流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森- 院長の坂本です。
今回は一次診療、二次診療とは何かについて解説します。
そもそも一次診療って何?
みなさんの飼育している動物が病気になったら、近くにある動物病院にかかると思います。
その際にかかる町の動物病院の行う診療が一次診療です。
- ワクチンやフィラリアなどの予防
- しつけ、困ったこと、フードなどの相談
- 去勢・避妊手術を含めた一般的な手術
- 皮膚科、眼科、内科、産科、循環器科、呼吸器科、整形外科、腫瘍化など様々な診療科いわゆる総合診療
こういったどんな病気でも、病気じゃなくても診療する動物病院です。
一次診療は多種多様な病気・動物種を診療する
先ほど述べたように、病気でも病気じゃなくても診るのが一次診療。重症度も低いものから高いものまですべて診療します。
さらに動物種も多種多様で、犬・猫が主ではありますが、動物病院によってはいわゆるエキゾチックアニマルも診療します。
- 犬
- 猫
- ウサギ
- ハムスター
- フェレット
- ハリネズミ
- インコなど鳥類
- 爬虫類
- 両生類
さらに犬だけでもチワワのような超小型犬から、秋田犬のような大型犬まで品種も違えば体格も違う。もちろん遺伝子も違うのでかかりやすい病気も違う。
これほど多種多様な動物、幅広い診療科をひとりの人間が完璧に診療できるでしょうか?
残念ながらほとんど不可能と言わざるを得ません。
では二次診療とは?
一次診療ではどうしても広く浅くの診療になります。そこで二次診療の出番です。
二次診療では専門的な診療を行います。ひとりの獣医の診療対象は皮膚科だけ、消化器科だけ、眼科だけ、などです。
二次診療施設では以下のような特徴があります。
- 診療科目を限定することで、深い知識・技術を習得した獣医師(専門医)が在籍する。
- CTやMRIなど特殊な検査機器、特殊な手術器具を設置している場合が多い。
ひとつの動物病院に専門医が複数科いる場合もあれば、単一科目のみの場合もあります。
二次診療を受診するには?
二次診療施設を受診するには、一次診療施設から紹介が必要な場合が多いです。必ずしも、というわけではありませんが、大きな病院ほど紹介が必要な可能性は高いです。
流山市周辺で、1つの診療施設に複数科目の専門医がいる施設として有名どころは
- 大学付属の動物病院(近くだと東京大学)
- どうぶつの総合病院
- 日本動物高度医療センター(近くだと東京病院)
などがあります。これらの動物病院は紹介状が必須です。
1つの診療施設で単一科目のみの診療を行う施設は、施設名に~~動物眼科や~~動物整形外科など科目名が入っていることが多いです。
こういった単一科目の動物病院は紹介状なしでも行けるケースがたまにあります。
また施設名に科目が入っていなくても、公式サイトなどを見ると認定医や専門医が在籍している場合があります。
一次診療と二次診療の違い
一次診療と二次診療はどっちが上、下とか良い悪いではなく、役割が違います。
一次診療は広く診療する窓口として
二次診療は狭く難しい症例の最後の砦として
病気になった動物みんながいきなり専門医のいる病院に行くと、せっかく難しい症例も治療できるのに、その難しい症例まで手が回らなくなってしまいます。
ほとんどの病気は一次診療で治療できます。治療しても良くならない場合は紹介して二次診療で治療する。こういう住み分けになっているのが日本の動物医療の現状です。
21動物病院はどっち?
21動物病院は、一次診療施設です。
二次診療があるからって勉強しないわけではなく、日々勉強して知識や技術を磨いてはいます。ただそれでも専門的に診療している獣医には勝りません。
当院ですべての病気を治療することができればよいですが、残念ながらそれは難しいことです。そういった当院の力量を超えた症例は、二次診療施設へご紹介させていただくことがあります。
二次診療施設を受診したほうがいい場合とは?
獣医師が自分の力量を超えていて診断・治療が難しいと判断した場合の他に、こんな場合は飼い主様から紹介できる病院がないか聞いてみてもいいかもしれません。
- いくつも動物病院を渡り歩いてたくさんの獣医に診察を受けている場合
- セカンドオピニオン、サードオピニオン…と意見をたくさん聞いてよくわからなくなっている場合
- ずっと治療しているのに一向に良くならない、むしろ悪くなる場合
まとめ
一次診療とは町の動物病院のこと
非常に多くの病気も、病気でない子も対応する。獣医師によって得手不得手がある。
二次診療とは紹介されていく専門の動物病院
難しい病気に対応する。紹介された診療科目に特化した専門医が診療する。