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    【解説】 犬のフィラリア症 (犬糸状虫症) について

    2024/02/16

    流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。

    流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森- 愛玩動物看護師の小林です。

     

    今回は動物病院でよく耳にするフィラリア症、その予防の重要性について解説します。

    タイトルに“犬の”と付けたのは、フィラリアにとっては猫よりも犬の方が最適な宿主であり、予防しなかった場合の罹患率が犬の方が高いためです。

     

    犬のフィラリア症って?

    そもそもフィラリアとは別名“犬糸状虫”とも呼ばれる、寄生虫の一種です。

    フィラリア症は蚊によって媒介される感染症で、犬に感染するためには必ず蚊の存在が必要になります。

    蚊を介して犬の体内に入り込んだフィラリアは犬の組織内で発育し、やがて肺動脈や心臓に寄生し、様々な障害を引き起こします。

    重度になると呼吸困難や失神が起こり、死に至る場合もあります。

     

    そんな恐ろしいフィラリア症ですが、適切な予防薬の投与により発症を防ぐことが可能です。

     

    犬のフィラリア症の主な症状

    フィラリア症の主な症状について、もう少し詳しく見ていきましょう。

     

    症状は無症状から致死的な症状まで多岐にわたります。

     

    多くの症例では無症状か軽度の発咳を示す程度です。

    重度の症例になると、死滅したフィラリアによる血栓塞栓症に関連した呼吸困難や、重度の肺高血圧症に関連する失神や肝腫大、うっ血性心不全による腹水貯留などが症状として現れます。

    急性に生じる大静脈症候群に陥ると、虚脱や血尿などの症状を呈します。

     

    1つ前の項でもお伝えしましたが、フィラリア症は一度発症すると駆虫・治療が難しく死亡する可能性がある恐ろしい病気ですが、適切な予防薬の投与により発症を防ぐことが可能です。

     

    ワンちゃんのフィラリア症の予防、その重要性を理解していただけたでしょうか?

     

    フィラリア症の感染経路

    フィラリア症の予防をするにあたり、フィラリア症のライフサイクルと予防薬が作用する期間について理解しておく必要があります。

     

    まず、蚊がフィラリア症に感染した犬を吸血することからスタートします。

    蚊がフィラリア症に感染した犬を吸血すると同時に、“ミクロフィラリア”と呼ばれるフィラリアの幼虫が蚊の体内に取り込まれます。

    蚊の体内に入ったミクロフィラリアは第1期幼虫から第3期幼虫まで発育します。

    第3期幼虫まで発育して初めて犬への感染能を獲得します。

     

    この第3期幼虫を保有した蚊に、フィラリアに感染していない犬が吸血されると、第3期幼虫が犬の体内に入り感染が成立します。

    犬の組織内で幼虫は発育し、未成熟虫となり肺動脈に到達します。

     

    その後、フィラリアは性成熟し、末梢血中にミクロフィラリアを産生します。

    そして、そのミクロフィラリアを含む血液を新たな蚊が吸血することで、ライフサイクルが続きます。

     

    このフィラリアのライフサイクルの中で、予防薬の効果が期待できるのは第3期幼虫が犬の体内に入ってから成虫になるまでの期間です。

    定期的に予防薬を投与することで、犬の体内にフィラリアが入ってしまったとしても成虫になる前に駆虫することができます。

     

    フィラリア症の予防方法

    具体的な予防方法としては、月に一度の予防薬の投与です。

     

    一般的な予防薬は経口薬ですが、皮膚滴下(スポット)タイプ注射などの方法もあり、ワンちゃんに合った方法を選択できます。

    注射は1年間効果が持続するため、年に一度の接種で予防が可能です。

     

    フィラリアのライフサイクルで説明したとおり、フィラリアの感染には蚊の存在が必要になります。

    もちろん通年予防することもできますが、最低でも蚊が出現してから1か月後~蚊が終息してから1か月後までの期間は予防薬を投与するようにしましょう。

    当院では4月~12月までを予防期間の目安として推奨しております。

     

    また、通年予防ではない場合、予防薬の投与を始める前に血液検査を行い、フィラリアに感染していないことを確認する必要があります。

    これは万が一フィラリア症に感染していた場合、そのまま予防薬を投与してしまうと大量のフィラリアが駆虫されることでワンちゃんがアナフィラキシーショックを起こす可能性があるためです。

     

    当院で行っている予防方法

    当院では経口薬の予防薬を数種類ご用意しております。

    “フィラリア”と併せて“ノミ・マダニ”の予防も可能な予防薬もあります。

    当院でご用意している経口薬はいずれも月に一度投薬が必要です。

     

    経口薬が苦手なワンちゃんは注射のご用意もございます。

    アレルギーをお持ちのワンちゃん、コリー犬種は予防薬の種類に注意点がありますので、一度獣医師にご相談ください。

     

    番外編:ネコのフィラリア症

    フィラリア症は別名“犬糸状虫”とも呼ばれますが、ネコちゃんも感染します。

    ネコちゃんの場合、感染しても約1/3が無症状であるとされています。

    一方、発咳・神経症状のほか、死滅した虫体が肺に塞栓することにより、突然死する場合もあります。

     

    つまり、ネコちゃんもワンちゃん同様に予防が重要になります。

     

    番外編:ネコのフィラリア症の予防方法

    当院ではネコちゃんのフィラリア症を予防できる薬としては2種類ご用意があり、月に一度の投薬になります。

    どちらも皮膚滴下(スポット)タイプで、フィラリア以外にノミ・マダニの予防も同時に行うことが可能です。

    予防薬の種類によっては、猫回虫、猫鉤虫、条虫、耳ダニも併せて予防できます。

     

    まとめ

    ここまで長々とフィラリア症について説明してきましたが、
    まとめると、フィラリア症は発症すると死に直結する場合もある恐ろしい病気ですが、ワンちゃんもネコちゃんも適切な予防薬の投与により発症を防止することができます。

     

    どの予防薬が良いか分からない…などご不明点やご相談があれば、当院までお電話もしくはLINEにてお問い合わせください。