【解説】様子を見てて大丈夫?犬の眼瞼(まぶた)の腫瘤
2024/02/09
流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。
流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森- 院長の坂本です。
今回は犬の眼瞼(まぶた)の出来物について解説します。
眼瞼の出来物
眼瞼の出来物はほとんどが炎症か腫瘍です。
炎症はマイボーム腺という分泌腺が詰まる病気が多いです。この場合は薬や温庵療法で治療します。
腫瘍は基本的にはお薬で治ることはなく、外科手術が必要になります。
今回は腫瘍についての解説となります。
眼瞼の腫瘍は良性か?悪性か?
この記事のタイトルに“犬の”と付けたのは、眼瞼の腫瘍が犬ではしばしば発生するが、猫ではほとんど発生しないからです。
その中でも発生した場合
犬の70~90%が良性
猫の80%が悪性
とされています。
したがって、犬ではほとんどの場合で緊急性はないですが、猫は早めの対応を行ったほうが良いです。
犬の眼瞼腫瘍はしばらく様子見ていてもいいのか?
年齢にもよりますが、早めの摘出をお勧めします。
良性とはいえ”腫瘍“です。悪性に比べて成長速度は遅く、浸潤性はなく、転移なども心配はいらない。でも成長はするんです。
そして体幹の皮膚と違い、皮膚に余りがない。あまりに大きくなると摘出時に眼瞼の形が変形してしまったり、眼瞼だけでなく周囲の皮膚まで巻き込んで成長してしまったりすることがある。
発生した時期が若いほど、寿命までの期間が長いです。つまり腫瘍の成長する期間も長いということ。長い期間があれば、いくら良性でもかなり大きくなることがあります。
眼瞼腫瘍がおおきくなると…
眼瞼の腫瘍が大きくなりすぎると、腫瘍が眼球を傷つけたり、自壊したり、自壊によって化膿したり。また大きさによっては外科的に摘出するのも難しくなります。
じゃあ眼瞼の炎症の場合はどうすれば?
炎症が疑われる場合は、点眼薬や内服薬で治療します。多くの場合はそれほど長くかからず治癒します。
またマイボーム腺の閉塞がある場合は、温庵法も行うことがあります。
※温庵法…温かいタオルなどを眼瞼に当てて温める方法。マイボーム腺は脂の分泌腺なので、脂を融かして分泌しやすくします。
眼瞼のできもののまとめ
- 犬の眼瞼腫瘍は良性が多い
- 猫の眼瞼腫瘍は悪性が多い
- 良性の眼瞼腫瘍でも大きくなることが多いので、小さいうちに外科的摘出がベター
- 炎症で腫れている場合は点眼薬や内服薬を使用します。