【解説】お腹が大きくなった!血尿が出た!水腎症について
2025/09/12
流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。
流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森-です。
今回は、水腎症について解説します。
水腎症とは
腎臓から尿道までの尿路において、何らかの原因により尿の通過障害が起こり、腎盂や腎杯に尿がたまって拡張し腎臓が大きくなる疾患で、閉鎖性腎機能障害です。貯留した尿により、次第に腎実質が萎縮して菲薄化していきます。水腎症は、片方の腎臓だけに起こる場合と両腎とも起こる場合があります。片側だけが水腎症を発症しても、正常な腎臓が機能を代償するため、腎不全の症状が現れにくく、発見が遅くなることが多いです。両側性水腎症の場合は、腎臓が大きくなる前の早い段階で腎不全となり、尿毒症を起こすため命に関わります。

水腎症の症状
閉塞の原因によっても症状が異なりますが、次のような症状が現れることがあります。場合によっては、症状がみられないこともあります。
- 食欲低下
- 元気衰退
- 嘔吐
- 発熱
- 血尿
- 多飲多尿
- 削痩
- 脱水
- お腹が膨らんで大きくなる
- 症状がみられない
水腎症の原因
水腎症の発症原因として、先天性のものと後天性のものがあり、後天性の原因がほとんどです。
先天性水腎症
- 腎臓の奇形
- 異所性尿管、尿管捻転 など(猫ではまれ)
後天性水腎症
- 腎結石
- 尿管結石
- 腎腫瘍
- 尿管腫瘍 などによる尿路閉塞
尿路結石症についてのブログ記事はこちらからご覧ください。
【解説】ストルバイト?シュウ酸カルシウム?犬と猫の尿路結石症について

水腎症の検査
腎臓の状態を確認するために、次のような検査を行います。
血液検査
腎臓や炎症に関係する項目などを確認します。
尿検査
尿蛋白や尿沈渣に異常がないかを確認します。
レントゲン検査
腎臓や周囲組織の形態的な異常があるか、腎臓の左右で大きさの違いがあるか、腎臓や尿管内に結石や腫瘍などの異物などを確認します。また、必要に応じて尿路造影検査を行い、尿路の通過状態を評価します。
超音波検査(エコー検査)
腎実質が菲薄していないか、腎盂が拡張しているか、液体(尿)がどの程度貯留しているか、腎臓や尿管内に結石や腫瘍などの異物があるかなどを確認します。
水腎症の治療
原因となる基礎疾患があるか、腎不全を発症しているかによって、治療方法が変わってきます。腎臓や尿管に結石などの異物や腫瘍が原因となっている場合は、それを外科的に摘出します。
罹患しているのが片腎の場合で、尿管内の異物摘出が難しい、腎臓の状態が重度などのときは、罹患した腎臓に対し腎摘出術を実施します。近年では、腎臓を摘出せずに、腎盂に貯留した尿を直接膀胱へ送る腎臓膀胱バイパス手術が実施されることがあります。これは、皮下に専用カテーテルを設置する皮下尿管バイパスシステム(SUB™システム)と呼ばれ、腎盂の拡張を改善できて腎臓の機能を温存する効果があります。また、腎不全がある場合には、腎不全の治療も併用します。
両腎ともに罹患している場合は、摘出が困難のため、腎不全の治療のみを行います。
*SUB™は、Norfolk Vet Productsおよびその関連会社の商標です。
水腎症の予防
水腎症を予防する方法は、残念ながら今のところ見つかっておりません。しかし、尿路閉塞の原因となりうる腎結石や尿管結石などを早期に発見し、治療ができれば水腎症の予防につながります。定期的に健康診断を受診したり、日頃から愛犬・愛猫の様子を観察して、早めの治療につなげることが重要です。
さいごに
水腎症は、何らかの原因で尿路閉塞をおこすことにより腎機能を障害する病気です。場合によっては、突然の尿路閉塞によって、急激な腎機能の低下や尿毒症を起こすこともあります。定期健康診断を利用したり、日頃から愛犬・愛猫の健康を管理をすることで、水腎症をはじめ多くの病気の重症化を防ぐことができます。元気や食欲が落ちるなど、気になる症状があれば早めに受診してください。

当院ではエビデンスを元に検査・診断・治療を行っています。
水腎症について不明点やご相談があれば、当院までお電話もしくはLINEにてお問い合わせください。
21動物病院-おおたかの森-
千葉県流山市おおたかの森北2-50-1 GRANDIS 1階
TEL: 04-7157-2105
Web予約: https://wonder-cloud.jp/hospitals/21ah_nagareyama/reservationsonder
LINE: @092jvjfm
執筆:獣医師 一色
監修:獣医師 院長 坂本




