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    【解説】食欲がない!腹痛や黄疸がある!犬と猫の胆嚢炎について

    2025/08/10

    流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。

    流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森-です。

     

    今回は、胆嚢炎について解説します。

     

     

    胆嚢炎とは

    胆嚢(たんのう)炎は、胆嚢の壁に炎症が起こる病気です。細菌感染などによって炎症が生じたり胆汁の流れが悪くなったりする胆汁が排出されなくなり、消化障害や痛みを引き起こします。進行すると、胆石症、胆泥症、胆嚢破裂につながります。胆嚢炎は、年齢や性別、犬種・猫種に関わらず発症がみられます。

     

    胆嚢とは

    胆嚢は、肝臓のすぐそばにある袋状の消化器で、肝臓から分泌される胆汁を濃縮貯蔵しておく働きがあります。胆汁は胆汁酸、ビリルビン、コレステロールなどが含まれています。食べ物が入ってくると、胆嚢が収縮して胆嚢管から胆汁が排出され、総肝管と合流した総胆管を通って十二指腸に送られます。胆汁は脂肪の分解や脂溶性ビタミンなどの栄養素の吸収を助けるため、胆嚢が正しく機能しなくなると消化不良などの障害が引き起こされます。なお、便の茶色は、ビリルビンによるものです。

     

     

     

    胆嚢炎の症状

    胆嚢炎の症状は、無症状から重症まで様々です。急性期には症状が現れないこともあります。症状は、次のようなものがあります。

    • 腹痛
    • 食欲不振(腹痛による)
    • 下痢
    • 嘔吐
    • 発熱
    • 体重減少
    • 元気消失
    • オレンジや茶色などの濃色の尿
    • 白っぽい色など薄い色の便(ビリルビンが腸に排出されないため)
    • 腹部膨満(胆嚢の腫れによる)

     

    さらに進行すると、次のような状態になります。

    • 黄疸(白目や歯茎、耳が黄色)
    • 胆嚢破裂(重度の炎症、胆石症などによる)
    • 胆石症(胆汁が溜まる)
    • 胆管炎(胆道の炎症)
    • 腹膜炎(胆嚢破裂による) など

    最終的には、腹膜炎によって命を落とすことがあります。また、胆管炎や膵炎を併発している場合は症状は重く、多くは黄疸が認められます。

     

    胆嚢炎の原因

    胆嚢炎を起こす主な原因は、細菌感染です。そのほか、胆嚢・胆汁の問題や胆嚢疾患以外の二次的な要因があります。

     

    細菌感染

    嘔吐や下痢などが原因で、小腸内の細菌が十二指腸から胆嚢に逆流して胆嚢に細菌性炎症を起こします。急性胆嚢炎で多くみられます。また、肝炎、腸炎、胆管炎、急性膵炎、栄養バランスが悪いフードなどが原因となることもあります。

     

    胆嚢や胆汁の問題によるもの

    何らかの原因で胆汁の流れを妨げるような状態になったり、胆嚢の壁を傷つけたりすると胆嚢炎を起こします。胆汁の流れに影響を与える病態として、胆汁が泥状になる胆泥症や、胆汁が固まって石状になる胆石症、犬で胆嚢内に粘液(ムチン)が過剰に溜まることで胆汁の分泌障害や胆嚢破裂を起こす胆嚢粘液嚢腫があります。犬種、猫種によらず胆嚢炎になる可能性はありますが、胆嚢炎との関連がある胆泥症、胆嚢粘液嚢腫、高脂血症などの好発犬種は胆嚢炎を起こしやすいので、特に注意が必要です。

     

    各疾患の好発犬種

    胆泥症:ミニチュア・ダックスフント、ポメラニアン、トイ・プードル、ヨークシャー・テリアなど高齢犬

    胆嚢粘液嚢腫:ポメラニアン、チワワ、柴犬、ミニチュア・シュナウザー、シェットランド・シープドッグ、ミニチュア・ダックスフントなどの中高齢犬

    高脂血症:シェットランド・シープドッグ、ミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエル、ビーグル、シー・ズー、トイ・プードルなど

     

    また、猫で多くみられますが、ケンカや高所からの落下、交通事故など物理的な衝撃によって腹部を損傷した際に、胆嚢を損傷して胆嚢炎や胆嚢破裂を起こすことがあります。

     

    胆嚢疾患以外の二次的な要因

    • 甲状腺機能低下症副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などの内分泌疾患や高脂血症を含む脂質異常症などの基礎疾患から引き起こされることがあります。
    • 腫瘍膵炎腸炎などによって、胆汁の排泄経路が狭窄あるいは閉塞されると、胆汁がうっ滞した状態になり胆嚢炎を引き起こすことがあります。
    • ステロイド薬の影響で免疫低下が起こり、感染を増悪させてしまいます。
    • レプトスピラ症、ウイルス性鼻気管炎、サルモネラ症などの感染症から胆嚢炎をひきおこします。特に、猫では猫ジステンパーによる感染や、肺吸虫による胆管のうっ滞を起因としたものがあります。

     

     

    胆嚢炎の検査

    問診や触診で腹部の圧痛や膨満感があり胆嚢炎が疑われる場合、主体となるのは血液検査と超音波検査です。胆嚢だけではなく肝臓の状態も確認します。

     

    血液検査

    肝臓や胆嚢に関連する項目や炎症に関連する項目を確認します。特に、ALP、ALT、AST、γ-GTPといった肝酵素や総ビリルビン、総コレステロール、中性脂肪、CRPなどを評価します。

     

    超音波検査

    胆嚢の大きさや壁の厚さ、肝臓の腫れ、胆泥や胆石など異物の有無を確認します。

     

    画像検査

    レントゲン検査で、腹部に炎症や胆石があるかを確認します。

     

    細菌培養

    胆嚢穿刺にて胆汁を採材し、胆嚢内の細菌の種類を特定します。穿刺する際は、事故防止のために鎮静をかけて行います。

     

     

    胆嚢炎の治療

    胆嚢炎の治療は、症状の重さによって治療方法が異なります。早期に発見できて軽度の場合は、内科療法が選択されます。炎症が進行して重度の場合は、外科療法が検討されます。原因となる疾患があれば、それらの治療も必要になります。細菌感染が原因であったり、処置後に胆石が残っている場合は再発する可能性があります。

     

    内科療法

    薬物療法

    胆嚢にたまった胆汁を流すために利胆剤、痛みを緩和するために鎮痛剤、細菌性炎症を抑えるために抗生剤や抗炎症剤を使用します。また、細菌感染による胆嚢炎は再発することがあり、注意が必要です。程度に応じて、手術が検討されることがあります。

     

    食事療法

    胆嚢炎では消化不良が生じているため、胃腸に負担をかけないように消化に優しい高タンパク低脂肪高繊維の食事を与えるようにします。消化器疾患用や脂質対策用の療法食がありますので、獣医師にご相談ください。

     

    また、嘔吐や腹痛があり、食事がとれない場合は、輸液や制吐剤、鎮痛剤などを使用します。猫は食欲不振が続くと肝リピドーシスになって命に関わるため、少量ずつでも食事を与えるようにケアをします。

     

    外科療法

    気腫性胆嚢炎で胆嚢内にガスが存在するときや、重度の胆嚢炎で胆嚢の壁が厚くなっていたり、胆泥や胆石が溜まっていたり、内科療法でも改善が難しい場合などは、胆嚢を取り除く手術(胆嚢摘出術)や総胆管の洗浄を行うことがあります。この手術によって、痛みを軽減させる効果が期待できます。

     

     

    胆嚢炎の予防

    胆嚢炎は、日頃の生活習慣で予防することが重要です。特に、食事管理や運動習慣が胆嚢炎の予防に大きくかかわってきます。

     

    食事管理

    高カロリー、高脂肪の食事は、胆嚢炎の原因になることがわかっています。体に余分な脂肪がたまりやすくなり、胆汁の流れを妨げて、胆泥がたまったり胆嚢に炎症が起こりやすくなります。これを防ぐために、栄養バランスのとれた良質な高たんぱく質低脂肪消化のよいフードを適量与えるようにしましょう。また、ジャーキーなどのおやつをたくさん与えたり、人間の食べ物を与えることは避けましょう。

     

    運動習慣

    適度な運動は、胆嚢炎の発症に深く関わっている胆泥症、胆石症、胆嚢粘液嚢腫の予防に有効です。運動をすることで、身体の代謝が上がり、高脂血症の改善や予防にもつながります。犬の場合、短時間でも毎日散歩に出掛けることで、心身の向上にもつながります。猫の場合は、屋内でも運動できる生活環境や、身体を動かしてストレス発散できるようなコミュニケーションの時間を作るようにしましょう。

     

    定期的な健康診断

    胆嚢に限らず、様々な臓器の疾患予防のために、定期的な健康診断を受診しましょう。甲状腺や副腎、膵臓の疾患から胆嚢炎を引き起こすことがあるため、基礎疾患があれば治療するようにしましょう。また、胆嚢は、肝臓と同じく症状が現れにくい臓器です。初期は無症状で進行することが多く、早期発見のためにも健康診断を受診しましょう。

     

     

    さいごに

    胆嚢炎は、細菌感染などによって胆嚢に炎症が生じる疾患です。また、胆汁がスムーズに流れなくなることで消化不良や痛みを引き起こし、重症化すると胆石症が生じたり、胆嚢の摘出手術が必要になることがあります。軽症のうちに早めに治療することが重要なので、日頃から犬猫の様子を観察し、食欲不振や便の色の変化など気になることがあれば動物病院を受診してください。

     

     

    甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、胆嚢粘液嚢腫、肝臓関連疾患、消化器疾患についてのブログ記事はこちらからご覧ください。

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    当院ではエビデンスを元に検査・診断・治療を行っています。

    胆嚢炎について不明点やご相談があれば、当院までお電話もしくはLINEにてお問い合わせください。

     

    21動物病院-おおたかの森-

    千葉県流山市おおたかの森北2-50-1 GRANDIS 1階

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    執筆:獣医師 一色

    監修:獣医師 院長 坂本