【解説】痙攣(けいれん)が起きたらどうしたらいい?
2023/09/22
流山市、柏市、野田市のみなさんこんにちは。
流山市おおたかの森にある、21動物病院-おおたかの森- 院長の坂本です。
当院ではエビデンスを元に検査・診断・治療を行っています。
今回は痙攣(けいれん)について解説していきます。
ヒトでもてんかん発作で知られている痙攣ですが、もちろん犬・猫を含めた動物たちでも起こります。
痙攣(けいれん)とは
全身または一部の筋肉の不随意な収縮のことを指します。
全身であればほとんどの場合、意識を失っています。一方で体の一部だけの場合は意識が保っていることが多いです。
見た目としては、短い間隔でピクピク・バタバタしたり(間代性痙攣)、手足や首がピーンと突っ張ったような(強直性痙攣)状況になります。
これらが組み合わさって出ることもあります。多くの場合が強直性痙攣の後に、間代性痙攣が続きます(強直間代性痙攣)。

てんかんと痙攣の違い
多くの方が混同してしまうてんかん(癲癇)と痙攣。似て非なるものです。
ざっくり言うと、てんかんは病名ですが、痙攣は症状名です。例えるなら、腸炎(病名)と下痢(症状名)みたいなものです。
痙攣を起こす病気の一つとしててんかんがあります。逆にてんかんだからといって症状が必ずしも痙攣とは限りません。
痙攣を起こす原因
原因は様々あります。
大きく分けて非誘発性痙攣(てんかん)と誘発性(反応性ともいう)痙攣の2つがあります。
非誘発性痙攣(てんかん)
非誘発性痙攣は脳自体のトラブルがあり、痙攣を起こします。
遺伝性:品種によるもの。
構造性:症候性ともいう。頭部外傷、脳奇形、脳炎、脳腫瘍など。高齢どうぶつに多い。
特発性:原因不明のもの。若齢どうぶつに多い。
誘発性(反応性)痙攣
誘発性(反応性)痙攣は、脳自体は正常ですが、他の原因の反応として痙攣を起こします。
中毒、代謝性疾患、低血糖、肝性脳症など。

痙攣が起きた時の検査は?
血液検査、尿検査、神経学的検査を行います。まずは非誘発性痙攣(てんかん)なのか誘発性(反応性)痙攣なのかを見極めていきます。
てんかんが疑われた場合はMRIや脳脊髄液検査に進んでいきます。

痙攣の治療は?
非誘発性痙攣(てんかん)と、誘発性(反応性)痙攣では治療が全く異なります。共通する治療は、痙攣が起きたら早い段階で注射して痙攣を止めるということです。
てんかんの治療
てんかんでは、抗てんかん剤を服用します。基本的には飲み薬で、痙攣が起きてなくても定時的に服用していきます。生涯飲み続けることになるので、痙攣の頻度などを考慮して、一定の基準を満たした場合に服用を始めます。抗てんかん剤には種類がいくつかあるので、変更したり追加することがあります。
抗てんかん剤は、勝手な判断で止めずに続けましょう。何か理由があって止めざるを得ないときは獣医師に相談しましょう。
また構造性てんかんの場合は、それに応じた治療を加えることがあります。消炎剤や抗がん剤、放射線治療、外科手術などです。
誘発性(反応性)痙攣の治療
反応性痙攣では、原因疾患の治療をしていきます。痙攣を止めるために一時的に抗てんかん薬を使うことはありますが、飲み続けるということはありません。

痙攣を起こしたときに自宅でできることは?
初めて痙攣を起こしたときは、すぐに動物病院へ受診してください。非誘発性痙攣(てんかん)なのか誘発性(反応性)痙攣なのかで状況が大きく変わります。
特に、明らかに植物や薬物を誤食してしまい、中毒が疑われる場合は必ずすぐに病院へ受診してください。

動物病院で診断を受けて、てんかんと診断された。そのあと痙攣が起きたのであれば、
基本的には「静かに見守る」です。
理由としては、脳神経の異常な活動が痙攣を起こすきっかけなので、声を掛けたり触れたりすると、脳神経に刺激が起きて、痙攣を長引かせたりする可能性があるからです。
もし周囲のものにぶつかりそう、眼を傷つけそうであれば、毛布やクッションで守ってあげましょう。
痙攣を起こしている時間も測れるとより良いでしょう。
動物病院へ受診するタイミングは次のようなときです。
- 定期的な受診
- 痙攣が5分以上続くとき、いつもより長いと感じるとき
- 痙攣が1日に2回以上起きるとき

まとめ
- 初回:痙攣を見かけたらできるだけ早く動物病院を受診しましょう。
- てんかん診断後:痙攣が起きたら静かにそっと見守りましょう。余裕があれば時間も測りましょう。
- 痙攣が長いとき、1日に何回も起こるときは動物病院を受診しましょう。
- 抗てんかん剤は勝手に止めずに、定時的に服用し続けましょう。





